fukuokamasanobu's
昔、「わら一本の革命」 を読んで感動したことがあります。実は私は農学部出身。農業が地力を収奪して行う生産活動で農薬の使用はもとより、農業自体が自然にとっては破壊行為なのだと いうことを大学時代に知りましたが、その中で福岡さんの農法はまさに目からうろこが落ちる農法でした。稲作で田を耕さないのです。田という概念がない。田圃自体が 人間が自然に手を加えたものと翁は考えたからです。
稲を刈ったあとそのままにしておくとまた次の年に茎が伸びてきてやがて穂が伸びる。
種を粘土の団子の中に入れ、これを播く。これは外国でも評価されアフリカでもかなり実験されています。
95歳でした。長生きされました。ご冥福をお祈りいたします。
業績を以下朝日新聞からの引用。
米や野菜作りにおいていかに人の手を省き、自然の力にゆだねるかを追究。土を耕さず無肥料・無農薬・無除草で作物を育てることを特徴とする自然農法を確立した。
とりわけ、田植えをせず、種籾(たねもみ)をじかに地面にまいて米を作り、刈り取る前に麦の種をまくという「不耕起直播(ちょくはん)」の米麦連続栽培は晩年まで改良を重ねた。
樹木や果樹などの約100種の種を粘土に混ぜてつくる特製の「粘土団子」を活用して、アジアやアフリカ諸国の砂漠緑化にもかかわった。海外では宗教哲学者としての評価も高い。著書「わら一本の革命」は世界各国の言語に翻訳された。
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福岡 正信
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<自然農法 情報>
そして、福岡さんの本に影響を受けた自然の農法で話題の本がでました。NHK「プロフェッショナル仕事の流儀」で紹介され、大反響を呼んだりんご農家の挑戦の日々を書籍化した『奇跡のリンゴ』でリンゴの無農薬栽培をはじめるきっかけとなったのが『わら一本の革命』です。木村秋則さんを取材した本。
農薬も肥料も使わず、たわわにりんごを実らせる…。
ニュートンよりも、偉大な奇跡を成し遂げた男の物語。
NHK「プロフェッショナル仕事の流儀」で紹介され、大反響を呼んだりんご農家の挑戦の日々を書籍化。
土に学んだリンゴ作り(2005年9月の朝日新聞より)
もともとは、奥さんが農薬を使うたびに、皮膚の炎症に苦しんでいたため、リンゴでは、不可能といわれた完全無農薬栽培への挑戦を始めた。600本のリンゴの木にありとあらゆる虫が襲いかかり、1本の木から、買い物かご1杯の虫がとれる。常識はずれの栽培に取組み6年、それでもなかなかりんごの栽培がうまくいかなかった。ついには、食べることもできない状況になった。
死ぬ覚悟を決め、ロープを携えて岩木山麓に分け入った。『あれ、こんなところに、りんごの木が・・』それは、枝ぶりがリンゴに似たどんぐりだった 。農薬を撒いていないはずなのに、害虫がいない・・・
『そうだ、土だ』あの山の土と同じ環境を、再現するために、雑草を刈るのをやめ、大豆・えん麦を植え、伸びるに任せた。
9年目を迎えた次の春、一面に白い花が、咲いた・・・・・・・
涙があふれて、止まらなかった。
プロフェッショナル 仕事の流儀 農家 木村秋則の仕事 りんごは愛で育てる [DVD]
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DVD版
木村秋則さんの新刊(2009年7月) 神秘体験を通じて高位の精神世界へ。
絵本にもなりました!
とびきりおいしいと評判のおじさんのりんご。でもそれは、何年も何年もかかって、やっとできるようになったのです-。不可能といわれた無農薬のりんご栽培にたったひとりで挑んだおじさんの、実話をもとにした物語。
その他の木村秋則さんの本
いっさいの農薬・肥料を用いず、自然の生態系をもとにした自然栽培。りんごをはじめとする食味良好の食べ物を生産するだけでなく、生物多様の果樹園や田畑を蘇らせることができる。自然栽培確立までの歩みと技術のポイントをわかりやすく解説する。
奇跡のリンゴ―「絶対不可能」を覆した農家 木村秋則の記録 (幻冬舎文庫)
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<追記> 『わら一本の革命』の福岡正信さんが亡くなった話を書いたら別なブログですが、トラックバックがありました。
それでトラックバック元のブログを訪問してみると、書かれているのは、福岡正信さんの「自然農法」への批判でした。
内容は無農薬といいつつ、除草剤を使っている、鶏糞を大量に使っているので無肥料ではない、海外で評価されているが、英文で書いてあるのは内容が違うのではないかというものでした。
謎の「自然農法家』 福岡正信氏死去。その農法は本物だろうか?? - 炎と水の物語 2008, Apprehensio ad Ignis et Aquarius.
海外での評価は粘土団子の方だと思います。
それで、ちょっと他のサイトを探してみました。
すると、同じように福岡氏の農法に疑問を持ちながら、10年以上にわたって試行錯誤を繰り返された上で、到達された農法について書かれたサイトを見つけました。読むのに骨が折れますが、常識を外れたものに出会ったときの向き合い方の正反対の例のように思いました。
紹介しておきます。
の中の